ここに生まれた1冊の素敵な本を紹介します!
Projects Showcase
Here, I present a collaborative anthology released alongside authors whom Hozumi Kitamura holds in high regard.
ここでは、喜田村星澄氏がお気に入りの作家さまたちと共同で出版したアンソロジーを紹介します。

読者からの声:
・六つの物語を読み終えたとき、胸の奥にそっと灯りがともるような感覚がありました。静かな言葉の積み重ねが、自分の歩みをもう一度信じてみようと思わせてくれる短編集です。どの物語も、迷いや痛みを抱えたままでも前へ進める力を静かに与えてくれるように感じました。読んでいるうちに、自分の中にもまだ知らない朝があるのだと気づかされ、これからの一歩を大切にしたいと思える本でした。人生の転機に寄 り添い、そっと背中を押してくれる物語として、多くの方におすすめしたいと思いました。(Aさん:2026年10月)
出版に至る経緯の紹介:
Background to Publication

このアンソロジーは、喜田村星澄が縁ある作家の皆さまと共同で制作した短編作品集です。
表紙イラストを起点に各作家が自由に物語を創作し、その作品を集めて一冊の合同誌としてまとめました。
多彩な作風を一度に楽しめる構成となっており、参加作家たちは読者の皆さまに充実した読書体験をお届けできることを心待ちにしています。
ページをめくるたびに、作家たちが描いた光景がそっと立ち上がります。 どうか、この一冊が皆さまの心にやさしい物語の余韻を残しますように。
物語の紹介:Introducing the anthology presented by Hozumi Kitamura
作品1『深い眠り』
高校生のミズキは、ふと「自分は本当に母の子なのか」という不安に囚われる。美しい母との違い、幼い頃から見ていた虹色の“癒しの夢”が突然途絶えたこと――。雨の日に逃げ込んだ図書館で出会った一冊の絵本は、その夢と同じ景色を描いていた。
祖母の家で見つけた古い写真や絵本の痕跡は、ミズキの疑念をさらに深める。「私は母の……」。妄想と現実の境界が揺らぐ中、母の言葉や仕草にも“予定通り”という不穏な影が差し始める。
深い眠りで見る世界は、癒しの夢なのか、それとも――。
揺れる自己像と母娘の境界を描く、静かで幻想的な心理ドラマ。
作品3『きらめきの中で』
仕事に追われ、成長の手応えを見失いかけていた女性は、ふと足を向け た帰り道の寄り道で、小さな万華鏡展に出会う。暗いギャラリーで手にした一本の万華鏡は、幼い頃の記憶を呼び起こし、胸の奥に忘れていた“光の感覚”をそっと揺らす。
ゆっくりほどけては組み上がる光の模様。静かな空間に満ちるきらめきの中で、彼女は自分の中にまだ残っていた「大丈夫」という感覚を取り戻していく。
現実は変わらない。それでも、手のひらの光があれば前に進める―― そんな小さな再生の瞬間を描いた、優しく心に灯る物語。
作品4『いつか目覚めるきみへ届けと』
優等生として期待され、家では否定され続ける桜子。 誰かの理想をなぞるだけの毎日は、息苦しく、孤独だった。
そんな彼女が迷い込んだ古書店で、思いがけない出来事が起こる。 気づけば、見知らぬ街と見知らぬ人々。 そして、穏やかな青年・和彦との出会いが、桜子の心に少しずつ温度を取り戻させていく。
ヨネの手料理、古書店の静けさ、和彦の柔らかな笑顔。 その優しさに触れながら、桜子は「自分」という輪郭をゆっくりと見つけ始める。
居場所を失った少女が、初めて感じる安らぎと、いつか訪れる別れの予感。 静かで、優しくて、少し切ない──そんな目覚めの物語。
作品5『ルシフェリンの柔光』
幼い頃から、希美は胸の奥を照らす“ある光”を大切にしていた。泣いた日も、悔しい日も、その光で不思議と前を向ける――弟の俊太は、そんな姉をずっとそばで見守ってきた。
やがて希美を突然の病が襲い、家族は大きな選択を迫られる。失われそうになる日常、揺らぐ未来。その中で俊太は、家族の一員として希美の人生に寄り添い続ける道を選ぶ。
時が流れ、希美は成長し、喜びも悲しみも、人生の節目にはいつも“柔らかな光”が寄り添っていた。かつて心を支えてくれたあの光のきらめき―― それは、長い年月を共にした存在がそっと届けた、優しい輝きだった。
家族の愛と記憶、そして光がつなぐ絆を描く、静かで温かな物語。
作品6『眠りのあとに』
仕事で心がすり減り、家事と育児をこなすだけで精一杯になった夜。疲れを抱えたまま眠りに落ちた主人公は、夢の中で不思議な“白い砂の部屋”へと導かれる。手にしていた黒い石は、胸に積もった重さそのもの。声に促されてそれを手放すと、砂は静かに呑み込み、遠くに海が現れる。
波の音に包まれながら深い眠りへ沈んでいくうちに、心の奥で固まっていたものがほどけていく。 翌朝、夢の細部はもう思い出 せない。それでも、石を手放した感覚だけが指先に残り、「まあ、大丈夫かもしれない」という言葉が自然に胸へ浮かぶ。
眠りは、ただ疲れを癒すだけではない。 守りたいものを守り、昨日の重さをそっと手放させてくれる―― そんな静かな再生を描いた、優しい物語。
物語を綴った作家たち:
Introducing Our Contributing Authors